メルカリクエスト

日常

メルカリデビューをした

 引越しの為の荷物の整理で本やゲームをブックオフに売った。本はそこそこの値段で売れたが、ゲームが渋い。私が涙を流しながらクリアした名作、ドラゴンクエストⅪ(11)は衝撃の10円という買取価格だった。

 本を売るならブックオフ、だ。ゲームは違う。それでも引き取ってもらえるだけマシか、とも思ったが、ここで売った瞬間、あの名作が10円の価値になってしまう。そのことが耐えられず、結局売るのをやめた。今年逝去されたすぎやまこういち先生にも申し訳が立たない。

 そうは言っても新居にクリア済のゲームを置くスペースはない。かくして、メルカリさんに頼ることとなった。

 メルカリさんはなんだかキラキラしていて近寄り難い。クラスの中心にいる、髪を茶色に染めたやんちゃな男子のような存在だ。話したことはないけれど、みんなの人気者だ。私なんかと口を聞いてくれるだろうか。

 そういうタイプは実はとても爽やかで良いやつのパターンと、立場の弱いものにはとことん非道な嫌なやつのパターンがある。メルカリさんはどうだろうか。

 前者の方だった。初めての人でも使い方がわかるように、とても丁寧にアナウンスがなされている。指示されるがままにバーコードを読み取り、パシャパシャと写真を数枚撮り、簡単な説明文を載せる。それだけであっという間に出品できてしまう。

 出品するや否や、すぐに買い手がつく。この辺りはさすが、ドラゴンクエストである。その価格は何と1,000円。それでも安い気がするが、ブックオフの100倍高く売れた。メルカリさんは只者ではない。ブックオフに売っていた私は情報弱者だったかもしれない。

 発送も楽々だ。コンビニで売っている梱包材に商品を入れて、レジに持って行くだけで良い。便利すぎる。これは癖になってしまいそうだ。

 技術の進歩により、個人での売買がここまで容易になっていることに驚く。リモートの技術、物流の技術、仮想現実の技術、今後さらに進歩すると、個人経営というのはもっともっとハードルが低くなるかもしれない。その時に備えて勉強をし続けなければならない。

 ドラクエを発送しながら、そんなことを考える。すぎやまこういち先生の音楽が色々な人に広がりますように。願いを込めて。

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