オンラインで人と会うことについて。
心理療法の研修に参加した。研修といっても、Zoomを用いたオンライン研修である。生身の人間から受け取る刺激は多いのだ、オンラインではどうにも物足りない。そんな古い脳みそを見事に撃ち抜かれた。Zoomってすごい。
コロナ禍で爆発的に流行ったZoom。私はどうにも乗り遅れていた。仕事柄リモートワークの機会がなかった上に、オンライン飲み会も気が進まずに断っていたのだ。私の中のテレビ電話はFOMAの時代で止まっている。映像はカクカクだし、音声もズレる。おまけにパケット代も高い。そんなイメージであった。
しかし、文明は進んでいた。Zoomってすごい。はるか遠方にいる人と、まるで会っているかのように話をすることができる。これは革命的だ。人と会う、という概念が変わっていく音がする。今はまだ荒削りだが、今後5G 6Gとネット通信がさらに進化し、ARやVRの技術が向上したら、人と会うことはほとんどオンラインで完結するかもしれない。
それが良いのか悪いのかはよくわからない。ネットの人間関係というのは、どこか現実の関係よりも薄くて儚い、不確かなイメージがある。しかし、ネットの関係と現実の関係の差がこれからどんどん縮まっていくだろう。『物理的な距離があると会えない』という常識に守られていたものもあったはずだ。
例えば、ネットいじめ。学校でいじめられていた子が、家に帰っても加害者とネットの世界で繋がっている。ネットでの人間関係がリアルになればなるほど、辛い関係からの逃げ場がなくなっていく。
例えば、家族の問題。地方の家族と上京した子ども。なかなか里帰りは出来ないけれど、より繊細なオンラインで繋がることができれば、家族の絆はより強まる。一方で、この絆に傷付けられ苦しむ人も少なくない。実家を出て一人暮らし、という逃げ道がなくなってしまうと辛くなる人も出てくるかもしれない。
物理的な距離が、人間関係の距離を守っていた。オンラインではそれがなくなり、人間関係の距離は自分でとらなければならない。これは難しい。
時折、電波障害になるバグを忍ばせておいてほしい。ちょっと疲れたきたら、「あ、ごめん、バグが」といってプツっと切れるような逃げ道が欲しい。バグのせいにして逃げる余裕が欲しい。
技術の進歩にワクワクした話を書きたかったのに、逃げ道の話になってしまった。何故だろうか。少し長くなってしまうかもしれないが、話を戻したい。
この技術が進めば未来の世界を予想することが可能である。例えば、テクノロ「あ、ごめんバグが
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