本を売るなら

日常

本を売るならブックオフ♪

 幼き頃から洗脳を受けて育った。引っ越しをしようというのに、本棚を埋め尽くす大量の本。はて、どうしようか、と考える。「はて、」の段階で頭の中に流れてくるブックオフの広告。

本を売るならブックオフ♪

 いや、そんな時代は終わった。今の時代はメルカリもある。希少な本はヤフオクという手もある。それどころか、ネット上では様々な業者が切磋し琢磨しているのだから、良いサービスはたくさんある。過去にすがりつき柔軟性を失ったら令和の時代は生き延びられないのだ。

 そんなことを考えながらも、だらしない顔をして無造作に箱に本を詰め込む。気がつけばブックオフへ。エジソンは偉い人だし、KIOSKは駅の中、本を売るならブックオフ。そんなの常識だ。

 私の本、約160冊は5,820円へと変わった。金額としては悪くない。思ったより高く売れた。しかし、どこか寂しい。

 私達はお金を物に変える時、なんとも言えないワクワクがある。無駄遣いをしてしまった時は小さな罪悪感も抱えたりするが、お金に色はない。また働いて稼いだら良いのだ。一方で、物をお金に変えるとき、なんとも言えない寂しさがある。物には過去やストーリーがある。様々な色に光る。お金に色はない。寂しい。また働いて稼いだとて、二度と戻らない。

 一通り寂しがったところで、立ち直る。寂しさを抱えつつ、生きていくしかない。手に入れたお金を何に使うかが大切だ。また新たな、ワクワクする物に出会うために使えたら嬉しい。

 

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