ぼったくり男爵と小松菜奈

日常

菅田将暉さんと小松菜奈さんが結婚した。

 結婚というのはおめでたいことだ。末長く幸せになってほしいと思う。だが、小松菜奈さんとはいったいどなたのことか、私にはわからない。世間に置いていかれている感じがして悲しい。

 自分が時代の流れについていけているのか、確認するために、2021年の新語・流行語大賞のノミネート語をチェックしてみる。知らない言葉ばかりで絶望する。「マリトッツォ」「親ガチャ」あたりはまだわかる。「自宅療養」は確かに流行したけど、その流行とは違うような気がする。「ぼったくり男爵」に至っては、本当に全く聞いたことがないし、いったい誰なんだ、という感じだ。

 「男爵」という高貴なイメージと「ぼったくり」というのがどうにもミスマッチで、とても面白い。「ぼったくり男爵」。ジワジワくる。こんな面白い言葉が日本中を席巻していたことを知らなかったなんて、完全に世間から取り残されている。悲しい。

 だが、世間というものは本当に存在するのだろうか。現代では、欲しい情報に簡単にアクセスできる時代である上に、人々の趣味趣向は細分化されている。それぞれが見たいコンテンツを楽しんでいる時代である。国民全体で共有する文化というのは、テレビが主要のメディアだった時代と比べると減っているように思える。

 それが時代の変化であれば、そこに良し悪しはない。ただ、一体感を感じられるような共通の文化が減っていくというのは、どこか寂しい感じがする。東京オリンピックを必死に盛り上げようとしていた人々も、もしかしたらこの一体感を求めていたのかもしれない。

 皆で「ぼったくり男爵」を応援する。そんな2021年に私も参加したかったと悔いている。来年こそは流行に乗りたいと思う。

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